
こんにちは!
Musik Glanz(ムジークグランツ)です
現役ピアノ講師でアラフォー子育てママやってます
さて前回の記事の続きです
- 前回からの続き~悩む音大生~
- 「ド」の音をひたすら聞かせる
- レッスンの原点を教えてくれた初めての生徒さん
- そして・・・後日談
前回からの続き~悩む音大生~
※全て実体験に基づく内容ですあくまて個人の体験談として軽い気持ちでお読みください
ピアノ講師のアルバイトを始めることになった当時、音大生(私)の昔話は続きます。
軽い気持ちで引き受けたピアノ講師。
生徒さんは4歳の女の子。家にはまだピアノはなくキーボードのみ。
保護者の方もピアノ経験無し。
当たり前のように音楽が身近にあった私にとって、「ド」を知らない女の子にどうやって教えればいいのか苦悩は続きます。
「いろおんぷ」や「ピアノ鍵の位置」など自分の幼い頃の方法も通用しないと悟ります。
いろおんぷとは…ドは赤、レは黄色、ミは緑という風に音に色をつけて覚えさせる方法。今でも幼稚園や保育園でピアニカの練習で使う事はあるようです。
ピアノの鍵の位置とは…グランドピアノには鍵が付いていて鍵穴がちょうどピアノの中央の位置にある事から、それを目印にドの位置を説明する方法。
そして考えぬいた挙句、最もアナログで古典的な方法をひらめきます。
「ド」の音をひたすら聞かせる
それはずばり「ドの音をひたすら聞かせること」
楽譜やワークで説明するのではなく自分の耳で”ド”を覚えてもらうことにしたのです。
今でこそ子育て経験があると4歳女子は大人が思うよりもずっと大人で理解力もあると分かるのですが、当時の私は子育て経験なし。4歳がどの程度の理解力があるのが未知数でした。
楽譜やワークはあくまでフォロー的な役割として、まずは生徒さんの耳を育てる事に力を入れようとしました。とはいえドの音ばかり聞かせていてはレッスンになりません。ドで楽しくレッスンしなければ子供は面白くないはず。
・ドを使った連弾曲を探す(生徒さんはドのみを弾き私が伴奏でバリエーションをいくつか持つ)
・音さがしという名のゲームをする(生徒さんは目隠しをした状態でいくつかの単音を弾きドを当ててもらう)
・未経験の親御さんにも協力してもらい、キーボードのドの位置を覚えてもらい家でも音さがしゲームをしてもらう
これを徹底的に行いました。もちろん通常の子供向けの練習曲もしつつです。ドを理論上ではなく体感的に覚えてもらうことで、ド以外の音に違和感を感じるように仕向けました。
すると”ド”と”ド以外の他の音”との判別が出来て自然とグランドピアノでもキーボードでもドが分かるようになっていったのです。
レッスンの原点を教えてくれた初めての生徒さん
今思うとこれは私のレッスンの原点。
今でもレッスン中、生徒さんによく「自分の音ちゃんと聞いてる?」と聞くことがあります。
これは大学時代「自分の鳴らした音に責任を持ちなさい」と恩師によく言われた経験からでもあります。↑「自分の鳴らした音・・・」については長くなるでまた次の機会に書きます。
ピアノに初めて触れる生徒さんは真っ白なキャンバスと同じです。
そこにどんな色を塗るのか。どんな絵を描くのか。塗り方から教えるのか、それともとりあえず自由に描かせてみるのか。それはその生徒さん、先生によって答えは一つではないはずです。
けれど音楽は奏でられた音を楽しむものであって、それを耳で聞くことを忘れてしまっては本末転倒です。
目を閉じて音だけを純粋に楽しむことができるというのはなかなか難しいものです。人間は視覚や触覚など分かりやすい感覚にどうしても頼ってしまうからです。聴覚だけで何かを感じるというのは意外と難しいことなのかもしれません。
ちなみにその4歳の生徒さんはあっという間にドを覚え、半年もしないうちに2オクターブの音の聞き分けが出来るようになりました。
彼女が優れていたのか、教え方がよかったのか(それはほぼない)、はたまた子どもの可能性には計り知れないものがあるのか。 今でも答えは分かりません。
でも確実に私の方が学ばせてもらった初めての生徒さんでした。
そして・・・後日談
”ド”の教え方に悩んでいた私ですが、実は先輩、同期含めて意外とこの悩み共通である事が発覚!
講師デビューする後輩の半数ほどには「ドってどうやって教えるんですか?」と聞かれます。
ちなみに大学の教授先生も同じことを仰っているそうで。
教授先生のところにくる生徒さんは音大やプロを目指す人ばかりなのでそもそも”ド”を1から教える機会などほぼ皆無という・・・。
なぁんだ。私だけじゃなかったんだ(笑)なんだかほっとした私でした。
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